特色
母音と子音が左右に分かれています。
日本語の約83%を両手で交互に打鍵できます。
濁音・半濁音が清音の上下にあります。
タッチタイピングを覚えやすいです。
Z・X・C・Vなどの位置はQWERTYのままです。
基本的なショートカットの操作性が失われません。
よく使うキーが、押しやすい場所にあります。
*青空文庫から採集したローマ字100万字中の出現頻度(%)
同じ指を連続で使うことは、ほとんどありません。
*30鍵の中で起こる全ての連続に占める割合(%)
ほかにも、片手内でよく連続する2打が打ちやすいこと、英語やプログラミング言語も打ちにくくないこと、ローマ字規則の拡張を前提としないことなど、さまざまな使いやすさが考えられています。
詳しい制作過程はこちら。
評価
一般的なQWERTY配列は、1800年代に英文モールス信号の復号作業のためにABC順を崩して作られ、市場の独占によって普及したものです。使う指の偏りや中段の不使用、標準運指における指の連続使用の多さなどが批判されてきました。
ローマ字100万字をもちいた解析によれば、大西配列の指の移動距離はQWERTYの約48%、同指異鍵の連続使用は約12%と、いずれも理論的な最少水準に抑えられています。また手や指ごとの負担も、可動性や力の強さに沿った理想的な配分になっています。
Keyboard Layout Analyzerがスコアリングするローマ字入力の効率において、大西配列は既存のすべての入れ替え配列およびほとんどのIME拡張配列*を上回り、素点でQWERTYの2倍を超えた初めての配列です。また、英文入力の効率も英語用モダン配列と同等の水準を誇り、両言語等量の入力では世界一効率的な配列です。
*ローマ字の入力規則を拡張して「aい」「っ」などの特殊キーを実装した配列のこと。
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練習場
下の入力欄を使って、それぞれのキーが正しく設定できていることを確かめてください。
確認できたら「次へ」を押して、やさしいタッチタイピングの練習コースを始めましょう。
レッスン1:AOTN
まずは、人差し指と中指のホームを覚えましょう。できるだけ印字を見ずに、下の言葉を打ってみてください。
レッスン2:I
次は、左薬指でIを打ってみましょう。さっきの4文字は覚えていますよね?忘れたら「前へ」で戻れます。
レッスン3:KS
右手の人差し指を伸ばしてKを、薬指でSを打ってみましょう。ちなみにレッスンは10まであります。
レッスン4:U
Uは中指を上に伸ばして打ちましょう。よく連続する「AI」「OU」が打ちやすいのを感じてください。
レッスン5:RH
子音を増やします。シャ行はSHで打ちます。タイピングは手続き記憶なので、練習後に寝て起きると上達します。
レッスン6:E
母音をコンプリートしましょう。「EI」もよく続きます。小指を痛めるので早めにクリアしてください。
レッスン7:WY
W・R・Yは五十音表の左上と同じ並びです。「RY」「TY」「KY」あたりはいっぺんに押してしまいましょう。
レッスン8:GDMJB
濁音は清音の下にあります。ただしNの下はM、Sの下はJです(Zはショートカットに使うため)。
レッスン9:、。ー
句読点と伸ばし棒です。すべて左人差し指を伸ばして打ちましょう。レッスンは次で最後です。
レッスン10:ZLVFP
ほとんど使わない文字たちですが、きちんと覚えておきましょう。レッスンはこれで終わりです。
ミス0回、秒?打
*「ミス5回以下」かつ「秒2打以上」を達成すると、次のレッスンが解禁されます。
あとがき
あなたがこのPCを選んだ理由は何ですか?
そのキーボードを選んだ理由は?
では、QWERTY配列を選んだ理由は何ですか?
キー配列は選べる時代になっています。もしあなたが、腱鞘炎に悩む入力作業者なら。無秩序なQWERTY配列が覚えられない視覚打鍵者なら。一生の無駄を削るために一時の無駄を惜しまない合理主義者なら。身近な道具のおかしな前提を破ってみませんか?
とはいえ、新しい配列を覚えるのは簡単なことではありません。はじめの数十時間は単語の入力もままならず、もとの配列が恋しくなるでしょう。使い込んだ配列の速さを超えるのは100時間を過ぎたころです。しかし最後に手に入るものは速さだけではなく、気持ちよさ、成長体験、痛くない指や新しい特技かもしれません。
『大西配列』は、すべての既成配列よりローマ字入力に適していることはもちろん、「原理的にこれからも超えられない」ような配列を目指して開発されました。ナイーヴな自作配列の氾濫に終止符を打つために。誰より自分が、安心して使い込めるように。いやマジで何に心血注いでんだ俺の2ヶ月を返せ!返せチュウ(ねずみ
2022年12月 大西拓磨
*このページのテキストおよびソースコードは、すべて大西配列で書かれました。