打ちやすさ、2倍*

『大西配列』は、タイピングが苦手な人のための新しいキーボード配列です。日本人がローマ字をもっとも入力しやすいように100万字の統計から開発され、QWERTY配列と比べて指の移動距離は約52%、同じ指の連続は約88%減少します。お使いのキーボードにも無料で導入でき、いつでも元に戻せます。

*Keyboard Layout Analyzerのローマ字総合スコアによるQWERTY配列との比較

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Q
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U
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D
M
J
B

元の配列:

特色

評価

導入方法

練習場

あとがき

資料

特色

母音と子音が左右に分かれています。
日本語の約83%を両手で交互に打鍵できます。
濁音・半濁音が清音の上下にあります。
タッチタイピングを覚えやすいです。
Z・X・C・Vなどの位置はQWERTYのままです。
基本的なショートカットの操作性が失われません。
よく使うキーが、押しやすい場所にあります。
青空文庫から採集したローマ字100万字中の出現頻度(%)
同じ指を連続で使うことは、ほとんどありません。
*30鍵の中で起こる全ての連続に占める割合(%)
ほかにも、片手内でよく連続する2打が打ちやすいこと、英語やプログラミング言語も打ちにくくないこと、ローマ字規則の拡張を前提としないことなど、さまざまな使いやすさが考えられています。
詳しい制作過程はこちら

評価

一般的なQWERTY配列は、1800年代に英文モールス信号の復号作業のためにABC順を崩して作られ、市場の独占によって普及したものです。使う指の偏りや中段の不使用、標準運指における指の連続使用の多さなどが批判されてきました。
ローマ字100万字をもちいた解析によれば、大西配列の指の移動距離はQWERTYの約48%、同指異鍵の連続使用は約12%と、いずれも理論的な最少水準に抑えられています。また手や指ごとの負担も、可動性や力の強さに沿った理想的な配分になっています。
Keyboard Layout Analyzerがスコアリングするローマ字入力の効率において、大西配列は既存のすべての入れ替え配列およびほとんどのIME拡張配列*を上回り、素点でQWERTYの2倍を超えた初めての配列です。また、英文入力の効率も英語用モダン配列と同等の水準を誇り、両言語等量の入力では世界一効率的な配列です。
*ローマ字の入力規則を拡張して「aい」「っ」などの特殊キーを実装した配列のこと。
詳しい比較結果はこちら

導入方法

Windows

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macOS

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iOS

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外部キーボード

PowerToys*をインストールします。
*Microsoft製のオープンソースなユーティリティソフトです。Windowsのパワーユーザー向けに、キーのリマップを含む様々な効率化ツールがパッケージされています。
「Keyboard Manager」>「キーの再マップ」をクリックし、変更前後のキーの組をひとつずつ入力します。キーの対応は、次章「練習場」の挿絵も参照してください。
「Keyboard Managerを有効化する」をオフにすることで、いつでもQWERTY配列に戻せます。
ほかにも、レイヤーやマクロなどより高度なカスタマイズができるAutoHotkeyや、レジストリを書き換える非常駐型のChangeKey、かな配列にも対応した紅皿など、さまざまな無料ソフトで大西配列は実装できます。
*参考:AutoHotkeyの使い方1-導入から使えるようにするまで-
Karabiner-Elements*をインストールします。
*常駐型のオープンソースな入力置換ソフトです。軽量で安定した動作から、配列のエミュレーションや独自コマンドの実装に広く応用されています。
Launchpadから「Karabiner-Elements」「Karabiner-EventViewer」アプリを開き、指示に従って権限を許可します。
*参考:Installation (Karabiner-Elements)
「Misc」の「Export & Inport」から設定フォルダを開き、
大西配列の設定ファイルをダウンロードして配置します。
「Simple Modifications」にキー変更の一覧が表示されていたら成功です。
*設定ファイルを置き換えずに、ここで一つひとつ追加していっても構いません。
メニューバーのアイコンからプロフィールを切り替えることで、いつでもQWERTY配列に戻せます。
*Karabiner-Elementsを終了することでもQWERTYに戻ります。システム再起動直後のパスワード入力などはQWERTY配列になっていることに注意してください。
azooKey*をインストールし、指示に従ってフルアクセスを許可します。
*オープンソースな日本語用キーボードアプリです。着せ替えやライブ変換機能のほか、キーの配置やフリック内容をゼロから構築できるカスタマイズ性の高さが特徴です。
「拡張」>「カスタムタブの管理」>「URLから読み込む」で以下2つのURLをそれぞれ読み込み、タブバーに追加して保存します。
https://o24.works/layout/azookey_ja.json
https://o24.works/layout/azookey_en.json
キーボード左下の🌐ボタンからazooKeyのキーボードを選択し、小豆マークをタップして「大西配列」タブを開きます。「かな」キーをタップしてローマ字変換をしない「Onishi」タブと切り替えられます。
「拡張」>「カスタムタブの管理」>「一覧」から追加したタブを選択し、「編集する」からキーの内容を編集することもできます。
*参考:azooKeyでキー配列を編集する方法
『大西配列』はローマ字の入力規則に干渉しない純粋な入れ替え配列なので、独立したキーボードのファームウェア側で実装することもできます。キーマップを変更したキーボードを持ち運ぶことで、勤め先や他人のPCでも大西配列を使えます。
*引用元:(初心者編)Remapを使ってキーマップを書き換えよう
自作キーボードの場合、RemapVIAQMK ConfiguratorなどのGUI環境を利用するか、ファームウェアを直接編集・ビルドすることでキーマップを自由に書き換えられます。お使いの自作キーボードが対応しているツールで作業を行ってください。
*引用元:【Win・Mac共有】HHKBキーマップ変更ツールのおすすめカスタマイズを全力解説
既製のキーボードでも、HHKBRealforceなどの一部モデルには専用のキーマップ変更ソフトが用意されています。お使いのキーボードがキーマップの変更に対応していないか調べてみてください。
*引用元:Keyboard Quantizer | のぎけす屋
かえうちKeyboard Quantizerといった、キーボードとPCの間に挟むことでキー入力を変換できる機器も存在します。これに大西配列を書き込んで携帯すれば、外部キーボードがUSB接続されているすべての環境に対応できます。

練習場

下の入力欄を使って、それぞれのキーが正しく設定できていることを確かめてください。
確認できたら「次へ」を押して、やさしいタッチタイピングの練習コースを始めましょう。
レッスン1:AOTN
まずは、人差し指と中指のホームを覚えましょう。できるだけ印字を見ずに、下の言葉を打ってみてください。
レッスン2:I
次は、左薬指でIを打ってみましょう。さっきの4文字は覚えていますよね?忘れたら「前へ」で戻れます。
レッスン3:KS
右手の人差し指を伸ばしてKを、薬指でSを打ってみましょう。ちなみにレッスンは10まであります。
レッスン4:U
Uは中指を上に伸ばして打ちましょう。よく連続する「AI」「OU」が打ちやすいのを感じてください。
レッスン5:RH
子音を増やします。シャ行はSHで打ちます。タイピングは手続き記憶なので、練習後に寝て起きると上達します。
レッスン6:E
母音をコンプリートしましょう。「EI」もよく続きます。小指を痛めるので早めにクリアしてください。
レッスン7:WY
W・R・Yは五十音表の左上と同じ並びです。「RY」「TY」「KY」あたりはいっぺんに押してしまいましょう。
レッスン8:GDMJB
濁音は清音の下にあります。ただしNの下はM、Sの下はJです(Zはショートカットに使うため)。
レッスン9:、。ー
句読点と伸ばし棒です。すべて左人差し指を伸ばして打ちましょう。レッスンは次で最後です。
レッスン10:ZLVFP
ほとんど使わない文字たちですが、きちんと覚えておきましょう。レッスンはこれで終わりです。
お疲れ様でした。免許皆伝です。
この先はお好きなタイピングゲームをお楽しみください。はじめはe-typingマイタイピングなど、時間制限の無いゲームにじっくり取り組むことをお勧めします。
慣れてきたら、時間の厳しい寿司打や変換ありのATC Tester、英語からプログラミング言語まで打てるmonkeytypeなどに挑戦してみましょう。
よいタイピングライフを!
ミス回、秒
*「ミス5回以下」かつ「秒2打以上」を達成すると、次のレッスンが解禁されます。

あとがき

あなたがこのPCを選んだ理由は何ですか?
そのキーボードを選んだ理由は?
では、QWERTY配列を選んだ理由は何ですか?
キー配列は選べる時代になっています。もしあなたが、腱鞘炎に悩む入力作業者なら。無秩序なQWERTY配列が覚えられない視覚打鍵者なら。一生の無駄を削るために一時の無駄を惜しまない合理主義者なら。身近な道具のおかしな前提を破ってみませんか?
とはいえ、新しい配列を覚えるのは簡単なことではありません。はじめの数十時間は単語の入力もままならず、もとの配列が恋しくなるでしょう。使い込んだ配列の速さを超えるのは100時間を過ぎたころです。しかし最後に手に入るものは速さだけではなく、気持ちよさ、成長体験、痛くない指や新しい特技かもしれません。
『大西配列』は、すべての既成配列よりローマ字入力に適していることはもちろん、「原理的にこれからも超えられない」ような配列を目指して開発されました。ナイーヴな自作配列の氾濫に終止符を打つために。誰より自分が、安心して使い込めるように。いやマジで何に心血注いでんだ俺の2ヶ月を返せ!返せチュウ(ねずみ
2022年12月 大西拓磨
*このページのテキストおよびソースコードは、すべて大西配列で書かれました。